脳と心の断捨離カウンセリング「天香」の わたなべ じゅんです。
今回は、空き家バンクに登録してから、物件の取得までの一例をご紹介します。
①空き家バンクに登録する
地方の物件は、なかなか不動産サイトに出てこないものが多い。
住みたい場所が明確に決まっているならば、その土地の不動産屋さんに相談に行くのが近道だと思うが、私が当初探していたのは、不動産屋サイトにはめったに載らない場所だったので、「空き家バンク」というものを利用することにした。
民間の不動産屋さんと両方で探したが、都市部から離れれば離れるほど、持ち主さんのご家族のご事情とか、村のことを考えられてとか、手放されることが容易ではないご事情もあってか、「空き家バンク」というものに登録をされて、やっとの思いで物件を手放される方が多いように思う。
「空き家バンク」に登録するのは簡単で、気になる物件がある自治体の「空き家バンク」のサイトから登録をする。
メールで登録できる自治体もあれば、書式をダウンロードしてから必要事項を記入し、郵送するパターン、
また、自治体にまず連絡を入れて、自治体から郵送していただいた書類に、必要事項を記入して送り返すパターンもある。
メールでの登録は、すぐに完了するが、郵送で行う場合は、登録までに1カ月ほどかかる。

「空き家バンク」のサイトをチェックして、「気に入った!」という物件を見つけてから登録をするのでは遅し。という場合もある。
気に入った場所が絞られているならば、早めに「空き家バンク」に登録をしておくことをお勧めする。切手代など以外は、お金がかからないし、登録すること自体は無料だ。また、登録は半永久的なものと、1年更新などの期間が決められているものがあるので、確認をして覚えておいた方がいい。
②物件の内覧を予約する
「空き家バンク」の登録が済んだら、物件の内覧を希望することができる。
アップされている物件には、「受付中」「内覧中」「契約交渉中」「契約済」などの表示がされている。
「受付中」と表示されているものに関しては、問題なく内覧を希望できる。
「内覧中」と表示されているものに関しては、先に内覧の予約をされている方の順番を待てば、内覧が可能だ。先の方が契約に進まれた場合は、順番は回ってこないことになる。
私の場合、3人待ちです!と言われて、5カ月待った。5カ月の間に他に気に入った物件も出てきた。
その物件が他の自治体や、一般の不動産の場合は、浮気することは問題なく可能だ。
けれどももし、同じ自治体で、他の気になる物件が現れてしまった場合は、2件同時というわけにはいかない。どちらかに優先順位をつけて、順番を待つことになるシステムになっている。
・3人待ちで、5カ月待った物件の場合
雪の降るシーズンだったので、時間がかかるにせよ、さすがに5か月は遅すぎないだろうか?
諦めなきゃいけないかな~。という思いが生じていた。それでもほぼ毎日チェックしていた「空き家バンク」のサイトを見ると、ある日その物件が「契約交渉中」に変わっていた。契約が決まったら連絡をもらえると聞いていたけど連絡もなかったので、「空き家バンク」に問い合わせてみた。
(本当は、1カ月の間、待っているだけでも問い合わせたいくらいの気持ちだったが、自分でもよく5カ月間、じっと黙って待っていたと思う。)
そうしたら、「内覧希望者が多数いらっしゃって、そういう場合には、内覧待ちの待機人数オーバーということで、(契約交渉中)という表示に切り替えるんです」と説明していただいた。
「そっか~そういう表示システムになっているのか!」
だから、本気で気に入った物件が見つかったときは、表示を鵜吞みにして初めから諦めないで、アタックするべし!だと思う。時が経てば、まだその物件が掲載されていて、「受付中」に戻っている場合も多々あるからだ。
そして私の番は、次だった。
やっと順番が回ってきた。自分の番が回ってきた時点で、物件の詳細を初めて教えていただける。
待ちに待って恋焦がれていた物件であったが、内覧目前に、自分にとってどうしても譲ることができない問題があり、見送らせていただく運びとなった。

③内覧
八百屋で野菜を買うのとはわけが違う。慎重に考えなければいけないと、自分で自分を納得させながら月日がたった。そしていくつかの物件の内覧をした。
不動産屋さんに紹介いただく場合の内覧は、内覧担当の方だけが来られることがほとんどだが、「空き家バンク」の内覧は、持ち主さんも立ち会われる場合が多い。
通常の売買とは少し違い、持ち主さん側の意向も大きく尊重されるのだろうと思う。

実際に、内覧の順番を待っている際には、2組待ちだけど、その2組は法人なので、お売りになられないかもしれないので、順番を待ってみてはどうかと言っていただいたこともある。
実際の内覧だが、新築を内覧するわけではないので、素人には難しい。身近に建築関係の方がいるなら付き添っていただけるとラッキーかもしれないが、私の場合は、素人の女一人で出向くことがほとんどだった。
ただ最後に決めた物件には、古民家を改修した経験のある父に同行してもらった。
私が内覧をしている際に、父は外回り、周辺の環境、土地の具合、建物の裏、湿気や風通しの具合など、やはり女の私とは違う視点で見てくれた。
「空き家バンク」での内覧は、持ち主さんが同行されるので、契約するのかしないのかを決めていない段階で、あまりにもマジマジ細々とチェックするのは気が引ける、全体像を別の視点で見てもらえるのは、ありがたいと思った。

③内覧から契約交渉まで
内覧をさせていただいてから、GO or STOP の返事をするまでは、数日以内になる。
GO と決断した場合には、次に、持ち主、空き家バンクの人、不動産屋、自分の4者面談へと進む。
感じたことは、結果的には「売買」なのだが、「お見合い」みたいだった。
実際に契約までの間の数回お会いする間に、持ち主さんとの間に繋がりを感じ、どことなく親しみを感じさせていただけるようになった(私だけかもしれないが)。
契約が済んだら、基本的には持ち主さんとはもうお会いする用事はないのだけれど、それを境に会わなくなるのかと思うと、少し寂しさを覚えてしまうような感覚だ。
それはさておき…
GO の意志をお伝えしてから、4者面談はその1か月後であった。それまで何年間か毎日のようにチェックしていた「不動産情報のサイト」を、見ることを自分に禁じた。もし、もっと魅力的な物件が現れてしまったら悩むことになるからだ。
実際は時々チェックはしたのだけれども、目移りすることは無かった。助かった。
そして、契約日を迎えた。
本当は、遠方と言うこともありご配慮いただき、契約日と登記をする日は同じにする予定だったのだが、持ち主さんが物件の登記を確認しに行くと、実在しない建物が、自分の土地に建っているという記載がありびっくり! そんなこともあるのだ。
「空き家バンク」ならではなのか、通常の売買でも起こりうることなのかは私は知らない。
ということで、実在しない建物の記載を抹消するために、そこからまた更に、約1か月要することになった。長い道のりではあったけれども、自分の決意や感情と向き合うよい時間となった。

次回は、「空き家バンク」を利用する際の補助金申請のしばり、公共の環境設備の補助金などを紹介しようと思う。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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